西鉄建設株式会社のご紹介
福岡を拠点に、鉄道・バス等の運輸事業や不動産業などを幅広く展開している西鉄グループ。そんな西鉄グループにおいて、福岡のまちづくり・住まいづくりを担っているのが、西鉄建設株式会社様だ。西鉄グループのスローガン「まちに、夢を描こう。」のもと、商業施設、ホテル、マンション、公共施設、戸建住宅など、多種多様な建物の施工に携わり、福岡エリアの発展を支えている。また、国内最大級の祭りである「博多どんたく」を彩る花自動車の製作を手がけるなど、地域活性化にも尽力する福岡密着の総合建設会社だ。
西鉄建設様では、分譲住宅の施工を行うハウジング部でANDPADを導入している。今回は、西鉄建設株式会社 ハウジング部 部長 後藤 新次様と、施工管理担当 花田 祥吾様に、ANDPAD導入の経緯や運用に向けた取り組み、導入後の成果について、お話を伺った。
施工管理のデジタル化で働き改革に取り組む
ハウジング部では、西鉄グループの分譲地に建設する戸建住宅の施工を年間120~150棟程度手がけている。ハウジング部の人員は現在8名で、工事担当者は3~5現場を同時に担当。分譲住宅の特性上、多い時で一現場に8棟を建設することもあり、工事担当者は多忙を極めていたという。
「一番の課題は、移動時間の長さでした。1日に巡回できる現場数が限られることで、チェックや指導が行き届かない事態を避けたいと考えていました。その一方で、工事担当者の業務負担軽減にも取り組む必要がありました。」と、後藤様は当時を振り返る。
そこで、西鉄建設様では、クラウド型の顧客管理ツールを導入し、業務改善に着手。しかし、思うような成果は上がらなかったという。花田様も「現場とはかけ離れているシステムという感覚がしました。」と話す。
「最初に導入したシステムは、どの業種にも対応できる汎用性の高いツールでしたが、工程表や図面を管理するためのシステムの構築が複雑で使いこなせませんでした。時間と手間、コストに見合った実績が残せていませんでした。」と、後藤様も語る。
そこで後藤様は、競合他社製品とは比較せず、ANDPADに絞って切り替えの検討を開始。ANDPADを選んだ決め手を伺った。
「ANDPADは施工管理に特化したアプリなので、木造住宅の施工に非常に適しているツールだと思いました。以前のツールと比べ、コストが抑えられる点も決め手でしたね。アンドパッド担当者とは、システム切り替え後にどう運用していくかを契約前から細かく打ち合わせをしました。」(後藤 様)
導入前の徹底したサポートで職人さんや協力会社から取り組みの理解を得る
西鉄建設様では、2019年よりANDPADの運用をスタート。まずは、社内で3回ほどアンドパッド担当者による説明会を開催し、社内での理解を深めた。その後、協力会社約80社が集まる月1回の会合で、ANDPAD導入を周知するとともに、3ヶ月間で「ガラケーからスマートフォンに切り替えてほしい」と依頼したという。
「年配の職人さんも多いので、最初は抵抗もありました。当社で料金が安いメーカーや機種を調べて、チラシを配布するなど、積極的に情報提供を行い、まずはANDPADを利用する環境面から整えました。」(後藤様)
周知期間の3ヶ月間を経て、西鉄建設様では、さらに3ヶ月をかけ、アンドパッド担当者による協力会社向けの勉強会を開催。西鉄建設様の担当者も個別にフォローを行い、利用の浸透を図ったという。
「現場で一緒に画面を見ながら操作を説明する地道な活動が実を結んだと思います。半年~1年程度で、ほぼ全員がANDPADを利用できるようになりました。」(後藤様)
西鉄建設様では、関係者間での「言った・言わない」を無くすため、施工に関するやりとりは電話やメールではなく、極力ANDPADチャットを利用するようにルールを設定。社員限定や協力会社ごとのチャットグループに加え、新型コロナ情報や防災など、関係者全員に情報共有ができるグループも立ち上げて運用を行っている。ANDPAD導入後の変化について、お二人に状況を伺った。
「当社では、職人さん、工務店の担当者、資材の納入会社、産廃会社、当社の工事担当者がANDPADに参加しています。現場に関わるすべての人がANDPADで情報をリアルタイムに確認できるので、コミュニケーションがスムーズになりました。現場から発信された情報に対して、協力会社さんも自らアクションを起こしてくれるようになっています。導入後、問い合わせの電話が半分以上減ったのは、大きな変化です。」(後藤様)
「以前は工程表に変更があれば、毎回全員にメールで送信していたのですが、今はちょっとした変更はANDPADで職人さんが直接確認してくれるようになったので、手間が省けています。図面の送り忘れもなくなり、最新図面をタイムリーに確認できて便利です。複数現場の図面を持ち歩く必要もないですし、タブレット端末でANDPADを開けば、現場でも工程変更や調整ができるようになりました。施主である西日本鉄道様との情報共有もスムーズになっています。」(花田様)
西鉄建設様では、現場への入退場や日報もANDPAD上で管理。新型コロナ対応として、現場に入る関係者の健康状態もANDPADで報告を受けているという。
「チャットで入退場の報告をする際に、体温や健康状態の情報も入力してもらっています。コロナや熱中症への注意喚起をはじめ、『今日も安全作業で、お願いします』といったコメントを私たちも返していて、『ちゃんと見てくれている』と職人さんから好評を得ているようです。こうした積み重ねが、コミュニケーションの円滑化に結びついていると感じます。」(後藤様)
残業時間を50%削減、今後はANDPADを使い検査の仕組み化に取り組む
ANDPAD導入後、後藤様は工事担当者に向けて、現場と事務所への行き来をなるべく減らすように呼びかけを続けて、その結果、移動時間は大幅に削減されたという。
「職人さんからの報告や写真で状況を把握できるようになったので、現場に行くことなく、ANDPAD上で問題を解決できる部分が増えてきました。現場と事務所の往復が減ったことで、移動時間は約2分の1になり、それにともなって残業時間も半減しています。」(後藤様)
ISO9001を基本とした品質管理体制を確立している西鉄建設様では、自社、西日本鉄道、第三者機関の日本住宅保証検査機構の三社で厳しく検査を行い、品質の高い分譲住宅を供給している。今後は、オプション機能であるANDPAD検査も活用し、自社検査の精度をさらに高めていく考えだ。
「現在、当社の工事に沿った検査項目を専門会社ごとに洗い出し、検討を進めている状況です。ベテランでも新入社員でも、同じ基準で漏れなく検査を行える体制を構築し、品質を高めたいと考えています。」と、後藤様、花田様が今後の意気込みを語ってくれた。
お客様の「夢」であるマイホームを形にするために、厳しい検査体制を設け、施工品質の向上を追求している西鉄建設様。今後は、複雑化しやすい複数棟現場の工程管理の改善に、アンドパッドとともに取り組んでいく。魅力的な福岡のまちづくりに邁進する西鉄建設様の取り組みに、今後も注目していきたい。