株式会社日興社様のご紹介
建設関連事業を関東一円で展開する東グループの一員として、建設機械レンタル事業を主軸に、土木建設工事業も手がけている株式会社日興社様。埼玉県朝霞市に本社を置き、電線や通信線の地中化に伴う土木工事や一般土木工事、建築工事に幅広く対応している。発注者や元請け会社のニーズに臨機応変に対応する機動力と、建機レンタル部門との連携力を強みに、埼玉県内で長年工事実績を積み上げてきた実力派企業だ。
日興社様は、2021年よりANDPADボードを導入している。今回は、日興社様にて、案件の手配や工程管理を担っている工事部 課長 木野様と、同部 小村様に、ANDPADボード導入に至った課題や導入後の変化について伺った。
ホワイトボードでの工程管理、紙ベースでの情報共有に限界を感じた
日興社様が主に手がけている工事は、道路を掘削して、電線・通信線を通す管路や地下ケーブルを埋設し、アスファルトで舗装を行う地中化工事だ。通行の妨げにならないよう、工事は1日で行われることがほとんどで、日興社様は協力会社4社と共に、日々埼玉県内の各地で工事を行っている。
日興社様では、ANDPADボード導入以前、2ヶ月先までの予定を書き込めるホワイトボードに協力会社4社の予定表を作り、工程を管理していた。工事の場所が日々違う上に、工事件数も1社あたり月20件程度と多く、4社分の工程管理をホワイトボードで行うことが難しくなっていったという。
「ホワイトボードの情報は、当然出先では確認できません。事務所を出る前にまだ空きがあったので、協力会社A社にお願いしようと工事を請けたところ、実際は別の工事がもう入っており、A社への発注が重複してしまうといった事態が起きていました。何とか日程を調整して事なきを得ましたが、元請け会社には心配をかけてしまったと思います。」と、木野様は当時の状況を明かす。
また、書類管理にも課題があった。これまで協力会社には、現地調査で撮影した写真や図面、作業指示書などの書類を封筒に入れて渡し、口頭や電話で情報を伝えていたという。そのため、協力会社に封筒を渡した後は、担当者と協力会社以外、工事の詳細を確認できない状況だった。ホワイトボードにも工事を行う市町村名しか書き込めなかったため、工事内容の共有ができていなかったという。
そこで、木野様と小村様は、工程管理をもっと円滑に行えるツールはないかと、検討を始めた。木野様がCMで見かけたANDPADボードを、グループ会社が使用していると知り、話を聞いたという。当時グループ会社は、ANDPADボードとグループウェアを二つ利用していたが、画面の見やすさや操作方法を確認した上で、ANDPADボードの導入を決めたという。
「ANDPADボードは、見た目がホワイトボードに似ていましたし、操作も簡単だという印象を受けました。デジタルツールの導入は初めてでしたが、チャレンジしてみようと思いました。」と、小村様は導入の決め手を語る。
工事の手配をはじめ、突発的なトラブル対応にも効果を発揮
現在では、日興社様の社員、協力会社の15名でANDPADボードを活用。元請け会社から図面や工事日程が共有された段階でANDPADボードに情報を入力し、協力会社へ案件の振り分けをしている。これまで紙に印刷し、現場ごとの封筒に入れて管理していた現地調査時の現場写真や作業上の注意事項も、ANDPADボードにアップ。工事を担当する協力会社はもちろん、社内の他のメンバーにも、工事の場所や詳細が分かるように情報共有を図っている。
ANDPADボード導入にあたり、木野様と小村様は、協力会社の主要メンバーを事務所に集めて操作説明を実施。現場で一緒になる職人には、その都度スマートフォンの画面を見せながら、操作方法をレクチャーしたという。
「最初は『こんなもの必要なの?』という職人さんもいましたが、今ではみなさん問題なくANDPADボードで情報を閲覧していますし、チャットでのやりとりもおこなっています。最近では、『現場情報がまだ入力されていないので早く更新してほしい』と催促がくるほどです。」と、小村様は笑顔で話す。
では、ANDPADボード導入後、稼働管理には変化が生まれたのだろうか。
「ANDPADボードを見れば、外出先でも工事日程や協力会社の状況が分かるので、工事の発注が重複するようなことはなくなりました。また、以前は、協力会社4社の予定が一つのホワイトボードに書かれていたので、それぞれの担当現場が分かってしまう状態でした。依頼する現場の規模や内容について不満を言われたことはないですが、本当は他社の状況が気になっていたのではないかと思います。ANDPADボードを導入し、自社の現場だけを閲覧できるようにしたことで、その点も解消できましたし、情報保護という面でも安心感が高まりました。」と、木野様は導入後のメリットを話す。
また、ANDPADボードは、突発的な事態の対応にも効果を発揮しているという。一つめは、雨で休工になった時の対応だ。
「雨で休工になった時は、翌日からどの現場をどの協力会社に任せるか、工程をすべて作り直さなければなりません。これまでは事務所でホワイトボードを確認しながら今後の対応を検討していましたが、今はスマートフォンさえあれば、元請け会社の事務所など、出先でも調整ができます。ANDPADボード上で予定を上下左右にスライドするだけで、日程変更や協力会社の担当変更ができますし、変更内容もすぐに共有できるので便利です。」
もう一つは、現場で緊急のトラブルが起きた時の対応だという。
「道路の掘削に伴うトラブルが起きた時に、以前は現地まで足を運んで確認していましたが、今はANDPADボードにアップされた写真で状況が確認できるので、すぐに的確な指示が出せています。対応に必要な手配も迅速にできるので助かっています。」と、小村様は語る。
電話での問い合わせ40%削減、紙の使用量50%削減。売上向上につながる手配も可能に
日興社様では、ANDPADボードの導入により、情報共有が円滑になり、協力会社からの問い合わせの電話が40%程度減少した。口頭や電話での伝え忘れや、「言った・言わない」もなくなったという。また、紙の使用量も50%程度減少し、ペーパーレス化も進んでいる。導入から半年が経過した現在では、「売上向上につながる動きも見えてきた」と、小村様は話す。
「ANDPADボードで、全案件の現場住所や作業内容・作業時間が確認できるようになったので、効率の良い手配ができています。例えば、午前中で終わる現場があった場合、移動距離の近い午後の現場を同じ協力会社に依頼できるようになりました。今まで1日1現場しかできなかった日に、2現場できる段取りが組めるようになったので、当社の売上アップにもつながりますし、協力会社さんにもメリットがあると感じています。」
日興社様は、元請け会社との打ち合わせにも、ANDPADボードを活用している。最近では、元請け会社から「ANDPADボードの内容を閲覧したい」という要望が増えているという。
「元請け会社との打ち合わせで、ANDPADボードを使用し、工事日程の手配をしていたら『便利そうだね』と驚かれました。今後は、当社、協力会社、元請け会社にANDPADボードを展開し、関係各所とスムーズに情報を共有していきたいです。」と、小村様。
ANDPADボードの活用によって、協力会社や元請け会社との関係性強化を目指す日興社様。多くの人と連携しながら、人々の生活に欠かせないインフラの整備に取り組む日興社様を、今後もANDPADを通じて支援していきたい。