株式会社メンテック・エージェンシーのご紹介
ビルやマンションなどの設備メンテナンス・設備工事を手がけている株式会社メンテック・エージェンシー。同社が対応している設備は、消火・消防設備、給排水設備、電気設備、空調設備と幅広く、業務内容も定期点検・法定点検から設備工事まで多岐にわたる。
設備の不具合や工事ニーズが発生した際にすぐに現地調査へ駆けつけ、見積もりを提案するスピーディーな対応と、さまざまな設備工事をカバーできる技術力が同社の強みだ。マンション管理会社・ビル管理会社からの信頼も厚く、大手企業からも設備管理のパートナーとして選ばれ続けている。
そんな同社は、年間2,000〜3,000件にものぼる設備工事の手配業務を効率化するために、2022年にANDPADボードを導入した。今回は、ANDPADの運用をリードしてきた、株式会社メンテック・エージェンシー テクニカルグループ 部長 長谷川様にインタビューを実施。導入前の課題や導入後の変化について詳しくお話を伺った。
協力会社への手配・資料共有に手間がかかり、タイムリーな対応ができなかった
同社が設備工事を手がけている物件は、タワーマンションや低層マンション、商業ビル、店舗、公共施設、大学などさまざまだ。対応エリアは首都圏が中心だが、取引先からの要望次第では、長野・群馬まで向かうこともある。緊急の設備トラブルに対応する24時間窓口を設けるなど、マンション管理会社・ビル管理会社を手厚くサポートしている。
工事受注後の施工には、自社の施工スタッフと協力会社約20社とともに対応しており、協力会社に発注する件数は年間2,000〜3,000件にものぼる。非常用照明のバッテリー交換といった15分程度で終了する作業から小修繕工事、1〜2週間程度の設備更新工事まで、工事内容もさまざまだ。数時間・数日で終わる案件など、短期工事が数多くあるからこそ、「協力会社の差配と稼働管理が煩雑で、時間と手間をとられていた」と、長谷川様は話す。
「ANDPADボード導入前は、私ともう一人の担当者がそれぞれ表計算ソフトで協力会社の予定を管理していました。全社共通の工事管理ソフトも利用していましたが、協力会社には内容を公開できず、工事日程の打診や工事情報の共有は私たちが個別に連絡を取って行っていました。消防設備工事と一口にいっても、工事を進めるためには、電気や給排水といった専門分野ごとに職人さんを手配する必要があります。一つの案件に対して全員に工事依頼書を作成して資料を送らなければならず、その対応に時間がかかっていました。メールやFAXなど、人によって連絡手段が異なっていたのも、業務を煩雑化させている要因の一つでした。また、表計算ソフトも工事管理ソフトも社外からは確認ができなかったため、タイムリーな工事手配ができないことも課題でした。」
協力会社の稼働管理に課題を感じていた長谷川様は、あるとき取引のあったリフォーム会社が利用していたANDPADに興味を持ち、アンドパッド担当者から話を聞くこととなった。そのなかで、「短期工事を多く抱える企業にはANDPADボードが向いている」との提案を受け、ANDPADボードの導入を決めた。
3ヶ月程度で利用が浸透、協力会社の業務効率化が進んだ
ANDPADボードの導入にあたって、最初は協力会社から「登録の仕方がわからない」「アプリが開けない」といった問い合わせも発生した。しかし、思ったよりスムーズに利用が浸透し、3ヶ月ほどでほぼ全員が使いこなせるようになったという。
「自社の業務が進めやすいように、システムをカスタマイズできる点にも魅力を感じていたので、最初はANDPADボードを使いながら改善要望を上げていこうと思っていました。ただ、実際に使いはじめてみると、特に不満や不便さを感じることなく、全員がスムーズにANDPADボードの仕様に慣れていくことができました。」
同社は現在、ANDPADボードで協力会社の稼働管理を実施。工事依頼書や点検報告書、現地調査時の写真など、工事に必要な情報・資料はANDPADボードのタイムラインで協力会社に共有し、協力会社からの工事完了報告もANDPADボードに写真付きで送ってもらう流れとなっている。長谷川様は、「ANDPADボード導入は、当社だけではなく協力会社にも大きなメリットをもたらしている」と評価する。
「これまでは、工事予定日に空きがあるか、わざわざ電話で確認していましたが、今はカレンダーを見れば一目で空きが分かります。協力会社さんも、他社の仕事が入っている日やプライベートの予定がある日にはNGを入れてくれているので、無駄なコミュニケーションがなくなりました。協力会社さんも自社の案件管理に役立っているのではないかと思います。」
短時間で対応できる工事の場合、協力会社は複数の現場を回って工事にあたるという。ANDPADボードで予定を確認できるようになってからは、『この3件を回ってもらった後に、近隣の小さい工事を追加でお願いしよう』といった予定組みができるようになり、「協力会社の受注量向上にもつながっているのではないか」と、長谷川様は話す。
また、ANDPADボード導入によって写真の共有が可能になり、意思疎通もよりスムーズになったという。
「工事内容を協力会社さんに伝える際、これまでは図面や文章、会話で伝えるしかなく、正確な工事箇所を伝えるのが難しいことがありました。ただ今はANDPADボードで現場の写真を見ていただけるので、よりわかりやすく情報を伝えることができています。職人さんたちからも、『メンテックさんは資料をたくさん送ってくれるし、細かい情報も共有してくれてわかりやすい』といった声をいただいています。」
写真の共有によって、ミスが防げたケースも生まれている。
「あるとき、マンションの設備工事で、本来『301号室』で工事を行うべきところ、当社が『302号室』と入力をミスしていたことがありました。ただ、ANDPADボード内の現場写真を見た職人さんが部屋番号の間違いに気づき、当社に指摘をいただいて無事に工事を進められたことがありました。写真の共有ができるのは大きなメリットです。」
さらには、ANDPADボードの活用によって「協力会社のペーパーレス化も進んでいる」と長谷川様は話す。
「以前は、私たちから送った資料を印刷して現場へ持っていく協力会社さんがほとんどでしたが、『今はスマートフォンやタブレットで資料が確認できるので紙はいらなくなった』と話しています。当社は、消防署への書類提出などがあるため紙は不可欠なのですが、協力会社さんのペーパーレス化は進んでいると思います。」
手配業務の作業時間が3分の1に、担当者の残業時間も減少
「今では、ANDPADボードを使うのが当たり前になっている」というほど、同社と協力会社の間ではANDPADボードの利用が浸透している。では、手配業務を担ってきた長谷川様には、ANDPADボード導入後にどのような変化が起きたのだろうか。
「一つの現場に対して複数の協力会社さんに入っていただく場合、ANDPADボードで関係者全員を担当者設定すれば、全員へ一気に工事の情報を共有できるようになったのは大きな変化です。連絡手段をANDPADボードに一本化したので、一社ごとにわけて資料を送る手間と時間も削減できました。また、案件の内容は全員が確認できるので、入力漏れや資料の格納漏れがあったときも、営業担当者や事務担当など、他のメンバーがカバーしてくれるようになり、情報共有も正確になりました。」
また、ANDPADボードの導入をきっかけに、同社ではこれまで長谷川様たちが担ってきた手配業務を分業化した。結果として、長谷川様の残業時間も減少したという。
「これまでは、私が新規案件の依頼書を作成したり、資料をまとめて協力会社さんに送付したりしていたので、出先から戻った後、事務所で深夜まで残業することも多くありました。ANDPADボード導入後は、入力作業を分業化し、事務担当に任せる部分を増やしました。私が担当する業務が軽減したことで、手配業務にかけていた時間を3分の1程度までに減らすことができました。私自身の残業も2割ほど減っています。」
10年先を見据えて、IT活用・人材育成に取り組んでいく
長谷川様は現在、ANDPADボードの活用によって削減できた時間を使い、社員や協力会社との勉強会に使う資料作成に取り組んでいるという。
「当社は2025年に創業20周年を迎えます。現在は、設備メンテナンスの割合よりも設備工事の案件が増えており、今後もさらなる拡大が見込まれます。ただ、10年先には、設備工事に携わる人材の不足はさらに深刻化しているでしょう。少ない人員で多くの案件に対応する体制をつくるためには、ITツールの活用と人材育成が急務です。今後どう対応していくべきかを日々考えていますので、こうした内容を勉強会でも共有し、協力会社さんや自社の施工スタッフと目線を揃えていきたいと考えています。」
最後に、長谷川様からANDPADボード導入を検討されている企業へメッセージをいただいた。
「最初は私たちも導入に躊躇していましたが、使いはじめてみたらANDPADボードは本当に便利で、協力会社さんにもメリットを感じていただいています。『チャレンジしてダメだったら変えればいい』といったくらいの気持ちで取り組めば、徐々に新しい方向性が見えてくると思います。」