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施工・粗利管理、受発注をツールで挑む、シームレスなデータ経営

株式会社クロダハウス 様
従業員規模 101〜300名
利用機能
課題
  • 会社全体の粗利や数字が見えず、経営判断が後手になっていた
  • 複数のシステムを使っており、データ入力の手間や情報のすれ違いが発生していた
効果
  • 粗利がリアルタイムで把握できるようになり、数字面での先手の対処が可能になった
  • データの一元管理で、現場・経理・総務間でのコミュニケーションも円滑になった

導入事例について詳しく知りたい方は、お問い合わせください。

クロダハウス(石川県金沢市)は、福井・石川・富山の3県を商圏に年間約70棟以上のペースで受注を確保している。コロナ禍やウッドショックなどの波にも影響を受けることなく、安定した業績を上げ続けている。
今回、社長の東一寛さん、総務企画部 部長の八本木真澄さん、住宅事業部 設計課 課長の黒澤雄介さんに2018年から導入した「ANDPAD」について、これまでの経緯や自社における活用法について話を聞いた。

DXに着手する以前の自社について、東さんは次のように語る。
「年間7080棟にもなる新築案件について、それぞれの現場監督や営業担当者に聞かないと、工事の原価管理や業者との連絡内容はおろか、進行状況さえわからない。粗利をまとめようとすると、担当の部長がひとりで数字をとりまとめて1週間かけないと全体の数字が見えてこない。非常に効率が悪いし、経営判断が後手に回りかねない状態でした」(東さん)。

そこで2018年からANDPADを導入することに。
「以前は別の施工管理アプリを使っていました。しかし、生産性を高めるには、現場の効率アップだけでなく、その前後の業務についても一気通貫にデータが流れるようにしたい。そこでANDPADに切り替えることにしたのです」(東さん)。 

代表取締役社長 東 一寛さん
「煩雑な作業を仕組化できれば、作業時間は短縮でき、判断のスピードも早くなる。よりクオリティの高い仕事に結び付けられたらいい」と語る

 

同社でのANDPAD活用シーン

データをすべての業務でシームレスに利用する

 導入・運用にあたって尽力したのが、八本木さんと黒澤さんだ。
ANDPAD導入前は、各部署でそれぞれ異なるシステムを使っていました。ひとつの案件についてデータがつながっていないので、部署ごとに必要な情報を入力し直すなど、作業手間が重複していました。またデータが複数存在することで、どのデータが最新かわからず、その都度担当者に確認するのも大変でした」。八本木さんはこのように振り返る。

黒澤さんは導入時には工務、その後、設計の部署に異動して、同サービスが社内で浸透するよう、旗振り役を務めた。
「特に工務では、地図や図面、見積書などをANDPADで共有すると、現場での確認作業や情報の共有がスムーズになり、会社と現場を行き来する頻度を大幅に減らせることがわかってもらえたタイミングで、一気に利用者が増えましたね」(黒澤さん)。
打ち合わせなどで外出しているときでも、スマホを通じて正しいデータを入手できる。これは北陸3県に拠点のある同社では、移動時間の短縮は大きなメリットとして受け取られた。 

ANDPADで地図や図面など共有しておけば、スマホ一つで確認作業が可能になり、作業者の負担が軽減される

 

設計部 課長 黒澤 雄介さん
「ツールの導入は便利になると理解していても、使い始めようとすると億劫になるもの。社員や協力会社向けに何度も勉強会の機会を設けることが浸透への近道」と振り返る

現場管理だけでなく、総務・経理なども劇的に改善

ANDPAD 施工管理」に続き、ANDPAD 引合粗利管理」ANDPAD 受発注」が導入されると、総務・経理などの社内業務も劇的に改善された。
「紙で受発注していた頃は、担当者に渡して確認してもらい、押印されるまで相応の待ち時間がありました。目を通しているのかもわからないし、紛失してしまうというリスクも。でも、ANDPADでオンライン化されてからは、書類の処理状況の進捗がわかるので、電話をかけて確認する手間がなくなりました。改正電子帳簿保存法やインボイス制度への切り替えで手間がかかる時期だけに、少しでも効率よくなるのはありがたいですね」(八本木さん)。

協力会社も約8割がANDPADを利用してくれるようになったという。
「やはりデータを共有できれば、コミュニケーションも円滑になりますし、行き違いもなくなっていきます。オンラインで受発注すれば印紙も不要になります。お互いにメリットがあるというのは大きいですね」(黒澤さん)。

履歴データを活用して顧客情報を会社の財産に

 導入して6年目に入り、引き渡し後のOB顧客管理にもANDPADが活用されるようになってきた。
「お客様のお宅の仕様や図面のほか、お問い合わせの履歴を記録しているので、それを見れば担当者でなくても対応ができるようになりました。以前のようにその都度、お客様のファイルを探す時間もなくなり、スピーディーに応対できるので、お客様にも安心していただけます」(八本木さん)。

顧客情報は会社全体の財産。同サービスを活用していくうちに、そうした考え方が社内に広がりつつあるという。 

総務企画部 部長 八本木 真澄さん
「ANDPADに顧客情報を登録しておくことで、お客様のライフステージの変化状況に合わせてお住まいの提案をしていきたいですね」と語る

煩雑な作業をDXで仕組み化し人材育成も促進する

東さんは経営者としての観点からもANDPADの効果を高く評価している。
「まず粗利がリアルタイムで把握できるのは助かります。ウッドショックの頃などは毎日のように資材の見積もりが変わっていたので、部長からの報告を待っていたのでは致命的な損失を出しかねない。今もさまざまな資材の価格が高騰しているので、私だけでなく、社員みんなでお互いの数字を確認しながら、粗利を確保できるよう、先手を打って対処しています」(東さん)。

また、東さんは人材育成という点でも同サービスに多大な期待を寄せている。
ANDPADを利用すれば、業務の流れをスムーズに把握できる。新人でも達成感や成功体験を重ねていくことで、自らの成長を感じることができ、やりがいも得られるはず」(東さん)。
近年、法規や制度の面でも変更が多々生じている。そうした変化についても同サービスはいち早くシステムに反映させて、協力会社側でもスムーズに対応できるようにしている。

クロダハウスは、ANDPADを通じて、現場管理から営業、総務・経理などすべての業務の効率化を図るだけでなく、人材の育成と底上げまで視野に入れ、会社の未来を導こうとしている。

会社情報

 

 

 

 

 

株式会社クロダハウス
1945年創業。北欧輸入住宅による新築住宅事業、不動産事業、リノベーション・古民家再生事業などを手掛ける。社員は101人。石川県金沢市を本拠に、福井、富山でも事業を展開し、地域の住宅需要に幅広く応えている。

    https://kurodahouse.jp/

    (新建ハウジング 2024年5月31日号掲載記事の転載)

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