株式会社キーマンのご紹介
1993年の創業以来、30年以上にわたって土木分野・建築分野での耐震補強工事を手がけている株式会社キーマン。「建造物の長寿命化」「価値向上」の重要性にいち早く着目し、「新しい建物を建てない建設会社」として、旧耐震基準のビル・オフィス・古民家の再生運用事業なども展開している。
同社は大阪本社を拠点に、東京にも支社を展開しており、現在は東京支社の建築分野でANDPADの活用が進んでいる。今回は、株式会社キーマン 東京支社 工事部 瀬谷崎様、同支社 営業部 東滝様にインタビューを実施。ANDPAD導入前の課題や導入後の変化について詳しくお話を伺った。
耐震補強工事から新規事業まで幅広く展開、若手育成にも積極的に取り組む
同社では、耐震補強工事のための調査・診断から設計、施工まで、ワンストップで対応している。土木分野では、高速道路や橋梁といった社会インフラ整備を中心に手がけており、建築分野ではマンションやビル、商業施設、学校といったさまざまな建物の耐震補強工事・改修工事に対応。東京支社の施工エリアは関東一円を中心に、全国出張での工事も行っているため、施工実績は建築分野だけでも年間20〜30件にのぼるという。
近年は、耐震補強工事で培ったノウハウを活かし、旧耐震建築再生運用事業・旧耐震不動産活性化事業も展開している。歴史のある建物を再生させ、次世代へとつないでいく新規事業がきっかけとなり、現在ではゼネコンだけではなくビルオーナーにも得意先が拡大しているという。まずは、同社がお客様から支持されている理由について東滝様に伺った。
「設計部門と施工部門の距離が近いのが当社の強みだと感じています。耐震補強工事の施工方法にはさまざまな選択肢がありますが、設計部門と施工部門が連携して取り組むことで、お客様に最適な提案ができていると思います。また、旧耐震基準によって建築されたビルやオフィス、古民家などを再生し、新しい付加価値をもたらす事業『REDO(リド)』や、旧耐震不動産の流通促進を目指すサイト『1981+』なども立ち上げ、既存建物の可能性を引き出す取り組みを積極的に行っています。耐震補強工事での強みを活かしつつ、社長が常に最前線でチャレンジを続けているので、私たちも新しいことを学び続けられていると感じています。」(東滝様)
また、瀬谷崎様や東滝様のように、20代〜30代の若手が多く活躍しているのも同社の特徴のひとつだ。若手の採用難が続く時代に、若手を惹きつけている魅力はどこにあるのだろうか。瀬谷崎様に伺った。
「私は同業界からの転職ですが、当社は従来の建築業界にありがちなイメージを刷新してくれる会社だと感じています。オフィスや職場環境も整っていますし、社長も物腰が柔らかくて話がしやすいです。そういった雰囲気の良さが若手にも伝わっているのではないかと思います。」(瀬谷崎様)
黒板付き写真撮影・写真台帳作成に手間と時間を取られていた
では、ここからは同社がANDPAD導入前に抱えていた課題についてフォーカスしていこう。同社では、社員が長く働ける環境をつくるために「健康経営」を実践し、「健康経営優良法人」に6年連続で認定されている。その一環として、同社は残業時間の削減にも力を入れているが、この残業時間が増える一因となっていたのが、黒板付き写真の撮影と写真台帳の作成だった。
「以前は、手書きの黒板を持って現場を回り、デジカメで黒板写真を撮影していました。その後、現場事務所やオフィスに戻ってPCに写真を取り込み、内容を整理した上で表計算ソフトに写真を挿入し、コメントを入力して台帳を作成していました。この一連の作業に多くの手間と時間が取られ、残業時間が増加していたのが当社の課題でした。また、現場では黒板に急いで文字を書くため、あとで内容が読み取れなかったり、似通った写真の判別に苦労したりするケースもありました。担当者によって個人差はありますが、22時~23時まで残業する社員も珍しくありませんでした。」(瀬谷崎様)
この現状を変えるため、同社では以前にも写真台帳作成ソフトを導入していた。しかし、操作が難解で利用が浸透せず、新たにANDPADの導入を決めたという。ANDPADの導入にあたって社内の反応はどうだったのだろうか。
「『ANDPADで黒板作成をする方法、フォルダ分けの方法が分からない』『ANDPADを利用する方が手間がかかる』と話す社員もいましたが、デジタルに馴染みのある若手が中心となって説明やレクチャーを進め、利用の浸透を図っていきました。チームで入っている現場では、若手が黒板作成を行い、その黒板に沿って別の社員がタブレットで写真を撮影したりと、作業を分担して慣れてもらうようにしていきました。今では、東京支社で建築案件に携わっている施工管理担当者は、ほぼ100%ANDPADを利用して黒板付き写真撮影・写真台帳作成を行っています。」(瀬谷崎様)
現場での写真撮影が効率化、お客様への対応もスピーディーに
実際に利用してみて、瀬谷崎様が実感している利便性や操作感についても伺った。
「黒板付き写真の撮影や写真台帳作成は圧倒的に楽になりました。図面もANDPADに格納しているため、現場で持ち歩くのがスマートフォン1台ですむようになり、手間もかかりません。特に、今私が担当している駅舎の耐震補強工事は、現場への落とし物・忘れ物が厳禁のため、持ち込むもの自体が少なくなったこともメリットに感じています。写真も自動的にフォルダ分けされますし、写真台帳作成についても、必要な写真を選択して並び替えるだけなので、ひとつの台帳を10分~20分ほどで作成できています。」(瀬谷崎様)
また、「お客様とのコミュニケーションにも、ANDPADは役立っている」と瀬谷崎様は話す。
「以前は、黒板の字が読みづらくてお客様にご迷惑をおかけするケースもありましたが、今はANDPADで黒板内容をあらかじめ入力しておけるので、どこに出しても恥ずかしくないような写真を提出できています。現場で質問を受けても、ANDPADを見ればその場ですぐに報告ができますし、『写真や情報がほしい』と要望をいただいたときも、簡単に資料を揃えられるようになり、対応がスピーディーになりました。」(瀬谷崎様)
3~4日ほどかかっていた写真台帳作成が半日に、社内の情報共有も活発化
ANDPADの運用によって、黒板付き写真の撮影・写真台帳作成の業務効率化を図った同社。台帳作成にかかる業務時間の削減については、どんな効果があったのだろうか。
「写真台帳作成を従来の方法で現場終了後にまとめて行ったとすると、以前は3日〜4日ほどかかっていたと思いますが、ANDPADを使えば半日ほどで対応できると感じています。今まで写真台帳作成にかけていた業務時間は大幅に削減できたので、今後は工程表の運用にもチャレンジしてさらに効率化を進めたいです。」(瀬谷崎様)
また、瀬谷崎様は社内のコミュニケーションにもANDPADが良い効果をもたらしていると話す。
「以前は、施工管理の担当者がそれぞれ自分の現場の情報を管理していて、お互いの進捗状況がわかっていませんでした。他の担当者に応援を頼むときも、私が応援に入るときも、現場の進捗や資料が見られない状況だったため、連絡に手間がかかり、スピーディーな対応ができていませんでした。ただ、ANDPADを利用するようになってからは、案件の黒板写真を見れば進捗がわかりますし、資料共有も簡単でコミュニケーションがスムーズになりました。また、若手からベテランにANDPADの操作方法を教えるようなシーンもあって、『ベテランに頼りにされている』といった実感と責任感が若手に芽生えたことも良い効果だと感じています。」(瀬谷崎様)
「営業部としても、ANDPAD導入後は、現場ごとの情報を収集しやすくなったと感じています。また、広報や採用の担当者からも、以前よりもANDPADを通して現場の写真に触れられるようになったため、情報発信の幅を広げられるようになったという声が出ています。」(東滝様)
最後に、瀬谷崎様に今後の展望を伺った。
「現在は、東京支社の建築分野での活用が進んでいますが、徐々に土木分野や大阪本社での利用も進んでいます。ANDPADの導入をきっかけに、社員同士のコミュニケーションの活性化や協力体制の構築に対する意識が向上してきているので、今後もANDPADで情報共有を図り、会社全体でチームワークを高めていきたいと思います。」(瀬谷崎様)