R.K.I設備保全株式会社様のご紹介
大阪市に本社を構え、マンションやビルの総合設備工事・メンテナンス事業を展開しているR.K.I 設備保全株式会社様。消防設備・セキュリティ設備の法定点検で発見したトラブルや改善点をもとに、最適な設備工事の提案・施工を行い、建物の資産価値向上と安全に貢献されている企業である。
R.K.I 設備保全様には、2020年からANDPADを導入いただき、各種設備工事、特にインターホンのリニューアル工事の現場管理に携わる工事部からANDPADの利用を開始し、現在では他部門でもご活用いただくこととなった。
今回は、ANDPAD導入をリードされた、設備部門 工事部兼営業戦略・アンドパッド推進担当の鹿毛様と、同じく工事部の平安座様、小西様にお話を伺った。
設備部門 工事部兼営業戦略・アンドパッド推進担当 鹿毛様
協力業者とのコミュニケーションミスを削減したかった
マンションセキュリティに欠かすことのできないインターホンの更新提案と、リニューアル工事を得意としているR.K.I 設備保全様。実際の設備工事は協力業者が行っているが、以前から、自社と現場のコミュニケーションに課題を感じていたという。
「当社が行っているインターホン更新工事は、機器を手配する電材屋さんや、実際に工事を行う協力業者さんと連携して工事を進めなければなりません。三者間のやりとりは、主に電話で行っていたので、情報共有が不十分で、誤った情報が伝わってしまうことが度々発生していました。」と平安座様。
担当者1名で20件程度の工事を同時に進行しているため、すべての現場をリアルタイムに把握することが困難になっていたという。
「当時は、現場で仕様変更やミスが起きた時、直接担当者が現場へ出向き、指示を出していました。現場へ向かう途中に別の電話がかかってきて、対応に追われるということもありました。現場での対応だけでなく、営業担当者から持ち込まれた大量の画像や図面の整理にも、かなり時間がかかっていましたね。」と、鹿毛様は当時を振り返る。
そんな時、鹿毛様は、テレビ番組の合間に流れたCMで、ANDPADを知ったという。
「設備工事業界は体質が古く、以前はデータベースなどという概念とはかけ離れていました。私は営業時代、各担当者の頭の中にしか情報がないことに危機感を覚え、情報を一元管理しようと、グループウェアを導入したんです。情報を共有できれば、全員の力で問題解決に取り組めますからね。工事部に異動した後も、すべての案件を把握できるようなシステムを導入したいと考えていたところ、深夜番組のCMで、ANDPADを知ったんです。今はANDPADのおかげで早く帰宅することができているので、深夜番組を見ることはなくなりましたけどね。」と鹿毛様は笑いながら語った。
設備部門 工事部 工事管理課 平安座様
ANDPAD導入で、今までできなかったことができるようになった
ANDPADの導入に向け、まず鹿毛様は取締役向けの社内プレゼンを実施。営業担当者が使用するグループウェアとの連携の仕方や、現地調査・工事管理でのANDPADの活用方法を具体的にまとめて、説明を行ったという。
「プレゼンの結果、社内はもちろん協力業者さんにも導入を進めていくようにと、『アンドパッド推進担当』に任命されました。もともとは、『工事管理システム開発担当』という名称だったのですが、ANDPADの性能にインパクトがあったため、役職名にもANDPADの名前が入ったんですよ。」という。
実際、鹿毛様の名刺には『設備部門工事部 兼 営業戦略・アンドパッド推進担当』と記載されている。
その後は、協力業者の一社とともに、トライアルで実際に利用し、お互いに導入のメリットを実感。社内、社外ともに今後の活用がイメージできる良い機会となった。しかし、導入決定後、全協力業者に対して、ANDPADについて話をして回ったところ、鹿毛様は協力業者の思わぬ反応に驚いたという。
「思っていたよりも多くの協力業者さんが、ANDPAD導入に後ろ向きでした。デジカメで撮影した写真をPCに取り込み、Excelに貼り付けて作成していた作業報告が、スマホ一台でできるんですよ。それなのに、ANDPADを受け入れられないという人が多く、つい熱くなってしまうこともありました。そんな状況を小西さんがフォローしてくれたんです」
小西様は「高齢の職人さんも多いので、まずスマホの使い方から教えなければならないこともありました。それでも実際にANDPADを使って、どれだけ便利になるか、結果を見ていただいて、協力業者さんにも活用していただく流れを作っていきました。あとは粘り強く、繰り返し、丁寧に使い方を教えていくように意識していました。」と語り、導入当初は苦労しながらも推進者の方々がチームプレイで乗り切ったという。
こうしてANDPADの利用が軌道に乗ると、協力業者の反応は一変。今では、ANDPAD導入のメリットを一番実感しているのは、職人たちではないかという。
実際に、ANDPADのどんな機能を便利だと感じているのだろうか。まずは、平安座様に伺った。
「やはり、報告機能とチャットです。全員に一瞬で情報共有ができるので、伝え忘れや行き違いなどのコミュニケーションミスがなくなりました。これまでは、協力業者さんに電話で情報を伝えて、工事当日に資料を渡していましたが、今はANDPADにアップした資料を事前に確認した上で工事に来てもらっています。紙も削減できています。」
また、鹿毛様は営業活動においてもANDPADが役立つ場面が出てきているという。
「タワーマンションの案件のコンペがあったのですが、私たちは現地調査の段階で、各部屋ごとにインターホンの設置状況が違うのでANDPADに全部屋のフォルダを作成し、設置状況を写真に撮って、改修後のシミュレーションを提案しました。ANDPADで情報が整理されているため、部屋の状況に合わせた対応が可能となることがアドバンテージとなり、受注に繋げることができました。部屋ごとに画像を格納するフォルダを作成することで、未対応の現場を一目で確認できたり、過去物件の問い合わせにも、即座に確認して対応できるようになりました。」
R.K.I設備保全様は、ANDPAD導入によって、「業務が楽になったというより、今までできなかったことができるようになった」という。
「私たちのチャットには、協力会社さんだけではなく、機器メーカーさんや電材問屋さんにも入っていただいています。これは電材問屋さんの要望でスタートしたのですが、工事にはあまり関わりがない立場のため、参加する意味があるのかと、正直最初は疑問に思っていました。しかし、今では現場で機器の変更や資材の不足があった時、電材問屋さんが直接チャットで、代替資材や納期を提案してくれています。私たちがチャットの内容を了承するだけで、現場に資材が納品されていて非常に効率的になっています。これまで私たちが電話やメールで間をつないでいたことが、ANDPADでコミュニケーションのスピードが格段に上がり、問題が起きたとしても今では一瞬で解決できるるようになりました。」と鹿毛様。
さらに、日々の進捗状況がリアルタイムで確認できるようになったことで、管理会社への報告もスピーディに行えるようになったという。鹿毛様は、「まさに革新です。」と、ANDPADを評価してくださった。
メンテナンス・リニューアル事業部 工事部 小西様
コロナ禍において現場作業者の衛生管理をANDPADで実施
ANDPADは、まずインターホン更新工事・雑工事を扱う部門で導入が始まったが、現在は、消防設備の耐圧試験業務を担う部門においても、活用していただいている。
「消防設備の耐圧試験業務は、撮影画像や報告書のフォーマットが統一されているため、写真を撮影して報告書をANDPADに入力すれば、すべての情報が網羅できると気づいたんです。現場で行った耐圧試験のデータと写真をANDPADに入力してもらい、報告書作成の手間を省くことで、1日当たりの試験の件数を増やすことができました。」と鹿毛様。
また、コロナ禍における現場作業員の体調管理にもANDPADは役立っているという。
「最初は管理会社から、作業員の体温や体調を確認するチェックシートが紙で配られたんです。しかし、用紙の回収や提出の手間を考え、ANDPADの報告機能に、感染症対策に関する報告書というテンプレートを作成し、体温や体調を入力していただくようにしました。ペーパーレス化が進みましたし、当日現場に入る作業員の健康状態も遠隔で把握できるようになったので、一石二鳥でした。」と小西様。
インターホン更新工事は、マンションの室内に入って工事を行うため、入居者の方々が工事をためらってしまい、緊急事態宣言中は全工事の延期を余儀なくされたという。しかし、結果としてANDPAD導入のフローを固めることができたと、鹿毛様は語る。
「工事は止まってしまいましたが、ANDPADの使用方法について、しっかり協議する時間を持つことができました。コロナの影響で、協力業者さんや社内の理解も進み、ITツールの導入に前向きになったと感じます。」
今後は様々なITツールの導入も検討しており、業務改革を進めていきたいと語っていただいた。設備工事業界に新たな風を吹き込んでいるR.K.I設備保全様のさらなる発展に注目したい。