「社会(顧客)に喜ばれ満足され選択される企業を目指す」を経営理念に掲げ、総合建設事業を展開する株式会社合田工務店様。香川県高松市の本社を拠点に、官公庁施設、教育施設、医療・福祉施設、マンション、ホテル、商業施設など、地域のランドマークとなる物件の建築に幅広く携わり、地域とともに発展を続けてきた。営業・設計・積算・建築・管理の一貫体制による徹底した品質管理のもとでつくられる建築物には定評があり、施工実績は四国エリアトップクラスを誇る。現在では、東京本店・大阪支店でも建築事業を展開。創業以来黒字経営を継続しながら、2020年に創業70年を迎えた。
今回は、ANDPAD導入・運用はもとより、現場の業務効率化に尽力された株式会社合田工務店 平尾様にインタビューを実施。ANDPAD導入の経緯や導入後の成果についてお話を伺った。
労働時間の上限規制適用開始に備え、本格的にDXへ着手
合田工務店様がANDPADを導入したのは2022年。導入の理由は「施工管理職の時間外労働・業務負担を削減するためだった」と、平尾様は話す。
「2024年から建設業にも罰則付き時間外労働時間の上限規制が適用されることを受け、3〜4年前からさまざまな取り組みを実施してきました。人員体制に余裕を持たせるため採用活動も積極的に行っていますが、今は施工管理職にチャレンジしたいと考える学生は減っており苦戦しています。『人材採用と同時にDXも進めなければ』と考えていたタイミングで協力会社の社長からANDPADを紹介してもらい導入を決めました。」
合田工務店様は、まずメンテナンスやリフォームなどのアフターフォローを担当するSE課にてANDPADの運用をスタート。複数現場を同時進行で管理していくSE課全体の情報共有にANDPADを役立てたいと考えてのことだった。
「不具合などの連絡が入った時、別の現場にいて対応ができない場合でも、ANDPADに案件情報が保存されているので、協力会社や他の社員が現場へ行って状況を確認できるようになりました。現況の写真をANDPADにアップすれば、SE課全員がその写真を見て対処方法を検討できるようにもなりました。一人で案件を抱え込むのではなく、全員で情報を共有し、相談し合える環境を構築できました。」と、平尾様。
SE課内での情報共有が活発化し、合田工務店様ではANDPADの運用にメリットを感じ始めていた。しかし、SE課は合田工務店様の中では少人数の部門であり、本来の導入目的である時間外労働削減に対するインパクトは低かった。
合田工務店様では、働き方改革に着手した3〜4年前から、各部門の所長・係員それぞれの残業時間を記録し、どの業務に時間を費やしているのかアンケートを実施。その結果、マンション建設等の大規模工事の施工管理を担う建築課係員の残業時間が最も多く、特に写真管理や工事関連書類作成に時間を取られていることが分かったという。
「アンケートの結果を受け、建築課係員の残業削減に焦点をあてて対策を取ってきましたが、あまり残業削減にはつながっていませんでした。本来は、建築課の業務負担削減に向けてANDPADを導入したいと考えていましたが、当時のANDPADは大型案件での活用は難しいアプリでした。そこで『現行の写真管理は、当社に必要な機能が足りない』と率直に伝えたところ、アンドパッド側から『大規模現場向けの写真管理の機能を一緒に作りたい』と提案していただきました。」
スピーディーな機能改善や、きめ細かな導入支援に感動
「写真管理を効率化し、建築課係員の残業時間を削減したい」という合田工務店様の想いと、「大規模現場でも利用できるアプリにしたい」というアンドパッドの想いが重なり、写真管理機能のバージョンアップに向けた取り組みがスタート。まず、写真管理を担う若手係員へのヒアリングを実施したところ複数の課題が挙がったと、平尾様は話す。
「以前は、現場へ黒板を持って行き、情報を手書きしてからデジカメで撮影を行っていました。黒板は雨に濡れると文字が消えてしまいますし、現場への持ち運びも係員の負担になっていました。撮影した写真は、事務所に戻った後にパソコンへ取り込み、工事箇所ごとに仕分けして整理をしていましたが、この一連の作業にも非常に時間がかかっていました。」
アンドパッドの担当者は、平尾様をはじめ、現場の所長・係員との意見交換を繰り返しながら機能改善を実施。平尾様も全員が意見をいいやすい雰囲気づくりを常に心がけていたという。
「『より使いやすい機能にしよう』という一生懸命さがアンドパッド担当者から伝わってきたので、私も現場に理解してもらおうと自然と説明に力が入りました。本社での説明会開催はもちろん、現場にも何度も足を運んで、ダウンロードの仕方から操作方法まで丁寧にレクチャーしてくれたことも好印象でしたね。係員から上がった要望に対してもスピーディーに改善してくれました。一般的なソフトウェアと違って次々に改善されていくので、現場も毎回のバージョンアップを楽しみにしていましたよ。フットワーク軽く動いていただいて『ここまでやってくれるのか』と感動しました。」
ANDPADのバージョンアップによって、合田工務店様の写真管理は大きく変化したという。現在の運用方法について伺った。
「現在は、ANDPADの黒板機能を活用し、工事内容や項目を事前に入力した上で、スマートフォンで該当の電子黒板を呼び出して撮影しています。黒板付きの写真が簡単に撮影できるようになり、黒板を持ち運ぶ手間はなくなりました。また、撮影した写真は黒板と連携したANDPAD内のフォルダに自動で格納されていきます。各階の梁・柱・スラブなど、細分化されたフォルダ構成にバージョンアップしていただいたおかげで、写真整理にかけていた時間も大幅に削減できました。『豆図を取り込みたい』といった要望にも応えていただいています。」
写真管理にかかる業務時間が半減、品質管理にも寄与
現在では、合田工務店様のほとんどの現場でANDPADが利用されている。写真管理を主に担当している若手係員の方々の反応を伺った。
「若い社員はスマートフォンの操作に慣れていますので、みんな興味を示してくれて『早く使いたい・慣れていきたい』と意欲的でしたね。社員同士でANDPADを便利に使う情報を共有する動きも生まれ、スムーズに利用を浸透させることができました。アプリの操作性が良いため、今後は技術職ではない事務スタッフにも利用を広げ、写真管理をサポートしてもらうことも考えています。技術者が本来の業務に専念できる環境を作りたいですね。」
では、ANDPAD導入によって、本来の目的であった「施工管理職の時間外労働・業務負担の削減」は実現できたのだろうか。
「写真管理の負担が軽減したという声は非常に多く聞きます。撮影漏れもなくなり、所長が現場の状況を確認しやすい環境も整いました。写真管理にかけていた時間外労働も半減しています。写真管理は、品質管理の要となる業務です。地震等で万が一不具合が出た場合でも、写真がしっかりと残っていれば当社が間違いのない仕事をしていることを証明できますから。」と、平尾様。
最後に、ANDPAD導入を検討している企業に向けてメッセージをいただいた。
「創意工夫によって良い建築物を作っていくのが建設業を担う私たちの本来の仕事です。しかし、写真管理や書類作成といった煩雑な作業が本来の仕事の邪魔をしてしまっていると感じています。この煩雑な作業を効率化し、品質管理もしっかりサポートしてくれるのがANDPADだと考えています。当社は、ANDPADのおかげで効率的で効果的な仕事ができています。ANDPADを導入して良かったと実感していますので、ぜひ導入をお勧めしたいです。」